 Invitation
 Eagle Fly Free
 You Allways Walk Alone
 Lies And Fall
 Dr.Stein
 We Got The Light
 Save Us
 March Of Time
 I Want Out
 Keeper Of The Seven Keys
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 Keeper Of The Seven Keys Part II ......... HELLOWEEN
先日のワインバー・オフ会で、萩原一至の「バスタード」の話がちょろっと出た。ちょうど私が意識不明になる直前だったので、私はほとんど話の内容を覚えていないのだが、伝え聞いた話では、「ハーーロイーーン!」とダーク・シュナイダーの最強呪文のひとつを150回くらい叫んでいたという。
というわけで、少々強引な冒頭なのだが、今月はその元となった「HELLOWEEN」というバンドの私のおすすめアルバムをご紹介しよう。
「バスタード」の読者のうち、どれくらいの人がハードロック、ヘビーメタルを知っているのかよくわからないが、作者である萩原一至は相当なメタルファンで、作中にはメタルファンならニヤリとするような名称が出てくるのが愉快だった。人名、国名、呪文詠唱などなど、そこかしこに往年のハードロック、ヘヴィーメタル関連のバンドやらアーティスト名をもじって使っている。そして冒頭で私が叫んでいたダーシュの呪文、「ハーロイーン」も実在のバンド、すなわちこのHELLOWEENをもじって使っているわけだ。作中で出てきたバンド名がすべてわかる人、ぜひお友達になりましょう(笑)。
本編ではアビゲイル戦以降、カル=ス戦、アンスラサクス戦、ポルノ=ディアノ戦あたりまでくると魔法攻撃力のインフレが起こってとんでもない呪文が出てくるようになったが、確かダーク・シュナイダーの「ハーロイーン」はコミックス6巻あたりくらいまでは最強の呪文だったはずだ。詠唱の文言は、「灰燼と化せ、冥界の賢者。七つの鍵をもて、開け地獄の門。七鍵守護神(ハーロイーン)!」ってな感じだったと記憶しているが、本編でこれが出てきたときに「今度はKeeper Of The Seven Keysかよ!」とツッコンだのは私だけではないはずだ。
このアルバムは日本版では「守護神伝 第2章」とタイトルがついており、もちろんこの前には「第1章」があるのだが、個人的にはこちらの「第2章」の楽曲が好きだったりする。表題を日本語に訳せば、「七つの鍵の守護者」という、なんともファンタジックな印象を与える。ひと言でいえばジャーマン・メタルの粋を集めた決定版といったところか。ドコドコ続く速いツーバスに乗るメチャメチャ速いリズムに、メロディアスで覚えやすいメロディライン、マイケル・キスクの超ハイトーンヴォーカル、どこか叙情的で壮大な楽曲構成などなど、これからジャーマン・メタルを聴いてみようという初心者にもおすすめできる。特に、マーチ系のリズムではじまる一曲目の「Invitation」から「Eagle Fly Free」へと続くあたりは、これからはじまるHELLOWEENの壮大な世界を感じさせる、いいできだと思う。覚えやすいのにハイトーンなのでなかなか口ずさむことも難しいのであるが、一度聴いたら耳について離れないというのがHELLOWEENの楽曲の特徴だろう。ジャーマン・メタルすべてに言えることだが、ジャーマン系は日本人の楽曲感覚(センス)に近いものがあって、一歩間違えれば演歌に相当するようなお約束がそこかしこに見えるんだと思う。また、表題曲である最後の「Keeper Of The Seven Keys」は表題作らしい超大作でなんともすばらしい。「バスタード」を知っている人はもちろん、ちょっと早めの激しいのが聴きたいときにはぜひ聴いてほしい。私なんぞは仕事がテンパってくると、どうしてもこういう速い系のを聴いて作業をする。なぜか作業スピードがあがるような気がするから不思議だ。
学生時代、軽音楽部も入っていたのだが(もうひとつはテニスサークルである。ここは笑うシーンだぞ)、ギタリストは多いくせにヴォーカル担当が異常に少なく、しかもハイトーンでハードロック・ヘヴィーメタルを歌えるのは限られていたために、後輩たちとなにかイベントでライブをやるときは必ず私がかり出されるはめになっていた。
「樋渡さん、今度HELLOWEENやりませんか? ついでにガンマ・レイもやりたいんですけど」と後輩に言われ、ハイトーン好きの私はふたつ返事でOKしたのだが、いやはや、「Eagle Fly Free」と「I Want Out」は難しかった(ToT)。同時にプレイした、HELLOWEENのギタリストであるカイ・ハンセンの別ユニット「ガンマ・レイ」も似たような感じだったのだが、あれだけのハイトーンを苦もなく歌えるってのはとても気持ちのいいものだと思った。もちろん私は泣きながら歌ったのだが(笑)。
 Tell Your Story Walkin'
 Crack Killed Applejack
 I Once Was There
 Wonderin'
 Start Again
 Born To Mack
 The Lying Truth
 Without Love
 A Journey Into The Middle Ages
 Much Add About Buttin'(Suckermangrubby Mouth Mix)
 I Need You
 I Think You Need To Think
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 BACK FROM THE LIVING ......... STEVIE SALAS COLORCODE
90年代半ば、どういうわけか世の中ではファンク・ロック系の人気が急上昇。日本ではレニー・クラヴィッツが人気を博していて私も当然手を出したのだが、ハードロックで慣れた私の耳には少々物足りなく感じられた。こじんまりしすぎて、きれいすぎる。ハートにガツンとくるような刺激は受けなかったというのが正直なところだ。そんなとき、ジミ・ヘンドリクスの再来と言われたギタリスト、スティービー・サラスの音に脳天を直撃されたのだった。
ひとことでいえば最高のパワーファンク。レニ・クラなんぞ目じゃないパワーがそこにあった。ディストーションを直で通し、ワウペダルをふんだんに使った太いギターに、エモーショナルなリズムとヴォーカルが乗ったこのアルバムの一曲目「TELL YOUR STORY WALKIN'」は、私が忘れかけていたノリと音楽の楽しさ(ひいてはライブの楽しさ?)を思い出させてくれた貴重な一曲でもある。はじけるようなノリのよさと切れ味、絶妙なキメの間、これは来た。即座にサラス関係のアルバムは全部買い、ちょうどそのときサラスが来日するってんでチケットもゲットしてライブも行った。ツアーTシャツなんて絶対に買わない私が、サラス来日のときには買ってしまったほどだ。それくらい、ハードロック一辺倒だった私に影響を与えたアーティストだったりする。
スティービー・サラスはアメリカ・インディアンの血を引いていることで有名だが、彼のバンド名「COLORCODE」は肌の色や人種について言及したものでもある。人種的に自由であるという意味だけでなく、彼は音楽的にもたいへん自由であることを主張していると思われる。その証拠に、このアルバムの前にリリースされている「エレクトリック・パウワウ」という全曲カバーのアルバムでは、デビッド・ボウイやリック・デリンジャー、スティービー・ワンダーなどなど、さまざまなミュージシャンの名曲を披露して、その音楽的守備範囲の広さをアピールしている。ライブアルバムにもなった新宿リキッドルームでのギグでは、確かジェイムス・ブラウンの名曲「セックスマシーン」を超高速で演奏した。超高速セックスマシーンはすごかった(^ ^;;。黒髪ロンゲにテンガロンハットをかぶった生サラスも爆裂にかっこよかった。ギターを弾きながら歌が歌えるって、本当にかっこいい♪
横乗りの楽しさに当てられて、このあと私のバンドではスティービー・サラス・カラーコードだとか先日ここで紹介したスキンやら、ニッケルバッグ、(なぜか)エルヴィス・コステロやらのジャンルに転向し始める。ところが、これまでわりとまっすぐな歌を歌ってきた私にとって、スティービー・サラスのようなダーティーなヴォーカルは死ぬほど難しかった。このアルバムからは「TELL YOUR STORY WALKIN'」と「START AGAIN」のおいしい曲をカバーしたのだが、英語の早口はなんとかなるものの、この微妙なニュアンスだとかダーティーなフィーリングがどうしても掴めない。力みすぎて、声を枯らすというヴォーカリストとしてはあるまじき失態までやらかしたことがあるのだが、そのうちにファンク独特の歌い方をなんとなく掴めるようになったのでいい勉強になった。私よりも苦労したのが周りの楽器担当連中で、ギタリストのヤツは生まれて初めてワウペダルを買って、寝ないでワウを踏むタイミングを練習したらしいし、ドラムのやつは裏リズムがなかなかとれなくて、打ち合わせ中でもいつもスティックで膝を叩いて練習していた。ベースに至ってはベキベキのチョッパーなんてやったことがなかったので(ピック弾きしかやったことなかったので、指弾きへの転向ですら苦難の道だったそうだ)、指の皮がめくれるほど練習したようだ。だがみんなそれぞれ自分のスタイルを見つけたらしく、大満足のライブとなった。あのときは自分も楽しかったし、見ている人も「うまいね」ではなく「楽しかったね」と言ってくれた。最高だった。ああ、あのときのライブテープ、どっか行っちゃったのが惜しまれる(ToT)。自分で楽しんでこそ音楽、そういうスタンスを再認識させてくれたスティービー・サラスに感謝。
 If Looks Could Kill
 What About Love
 Never
 These Dreams
 The Wolvs
 All Eyes
 Nobody Home
 Nothin' At All
 What He Don't Know
 Shell Shock
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 HEART ......... HEART
先日、わけあって家の中の引越後に一度も開けたことのない段ボールをあさっていた。ちょっと捜し物をしていたのだが、そのとき出てきたのがHEARTの日本公演のときのコンサートパンフだった。うおー、すげー、懐かしィ〜!
というわけで、久しく野郎ばっかのアーティストばかり紹介していたので、今月は(当時)見目麗しかったHEARTのアルバムをご紹介しよう。
HEARTというバンドは、姉のアン・ウイルソン(Vo.)と妹のナンシー・ウイルソン(Gt.)という美人姉妹(笑)を中心にしたバンドである。かなりのベテランバンド(ユニット)で、このアルバムはHEARTの実力を不動のものにした80年代後期のもの。ちょうどそのころの音楽シーンのいいところ、つまり、繊細でメロディアスでときにハードなテイストがミックスされている。私がHEARTを好きになるきっかけはこのアルバムからで、以降、声量、表現力、音域、どれをとってもすばらしいスキルを持つアンは、私の歌の神様のひとりとなった。武道館で本物のアン・ウイルソンの歌声を聴いたときには、まじで涙が出るほど感動した。
実は元々HEARTは(というかアンとナンシーは)、レッド・ツェッペリンなどの正統派ハードロックの流れを汲んだバンドだった。後から聴いたのだが、初期のHEARTのアルバムはまさにツェッペリンコピーといった感じのハードさと、女性ならではの繊細さを持ち合わせた不思議な魅力のあるバンドだった。ライブでは必ずと言っていいほどツェッペリンのカバー(『ロックンロール』や『ブラックドッグ』などなど)をやっていて、これがまたすげーかっちょよかった。
おっと、それでこのアルバムなのだが、はっきり言ってほとんど(もしかしたらすべて?)の曲がシングルカットされて、しかも全部ヒットチャート入りというものすごい快挙を成し遂げている。聴いていただければおわかりの通り、クズ曲と言われるものはこのアルバムには一曲もない。パワフルでメロディアスで覚えやすい、まさに80年代を象徴するいいアルバムだ。この中で「What About Love」とか「Never」「These Dreams」なんかは聴いたことがある人も多いのでは? 中でも「What About Love」は、浜田麻里もカヴァーしているバラード中のバラード(浜田麻里ちゃんもアン・ウイルソンのファンで、実は私は浜田麻里の大ファンだった(^ ^;;)。カラオケ屋に行くとたいてい「Never」と「These Dreams」と、このアルバムには収録されていないが「Alone」が入っているし、しかもこれらは私の18番なのだよ。はっはっは。なにを隠そう、バンドマン時代にはこのアルバム全部とほかのアルバムからもひっくるめて、コンプリートHEARTコピーバンドをやったことがあるのだ。キーが高くてメロディラインもアンのように歌えないので、とても苦労した覚えがあるのだが(^ ^;;。
とにかく、私にとってはとても思い出深い、青春時代(笑)のベストアルバムのひとつ。かなりおすすめ。
というか、最近ここのコーナーが私の思い出話になってるような気が(笑)。ま、エピソードに併せていい音楽を紹介できるってのはいいことだよね。うん(笑)。
**Disc1** Can I Tell You (Demo)
 Death Of Mother Nature Suite
 Jorney From MariaBronn
 Song For America
 The Devil Game
 Incomudro - Hymn To The Atman
 Child Of Innocence
 Icarus - Borne On Wings Of Steel
 Mysteries And Mayhem
 The Pinnacle
**Disc 2**
 Carry On Wayward Son
 The Wall
 What's On My Mind
 Opus Insert
 Magnum Opus
 Point Of Know Return
 Potrait (He Knew)
 Dust In The Wind
 Closet Chronicles
 People Of The South Wind
 On The Other Side
 A Glimpse Of Home
 Relentless
 Loner
 Hold On
 Wheels (New Recording)
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伝承(The Kansas Boxed Set) ......... KANSAS
遅い五月病ってやつなのか、どうにもやる気が出なくて気分も滅入りがちの私である。鬱ではないのだが、自分の人生ってやつを考え直すいい時期なのかなと思っていたりして。そんなときにふと口ずさんだのがKANSASの「Dust In The Wind」だった。「すべては風の中の塵と同じ……」と歌うこの曲、大好きでよくリピートして聴いていたものだ。
というわけで唐突だが、今月はKANSASの二枚組ベストアルバムを紹介しようと思う。実はこのKANSASというバンドを知ったのは学生時代の終わりごろと比較的新しかったりする。爆笑マルチお笑いバンドを組んでいたおかげで、学生サークル仲間や他のサークルとも交流があって、そのとき同じヴォーカルを担当していたヤツからおすすめされたのがこのバンドだった。そいつはすごく味のある渋いヴォーカリストで、モータウン系からR&Bまで歌いこなす男。その頃バリバリのハードロッカーだった私が、彼のビッグバンドでバックコーラスを担当するきっかけを作った人物である(先月のおすすめで書いたエドガー・ウィンターなどをやったバンドである)。
「俺さー、最近KANSASにハマってるんだよね。すげーいいから聴いてみなよ」
そう言われて私の頭の中には、「KANSAS=アメリカのカンサス州=田舎=カントリーミュージック」というわけのわからん失敬な図式が思い浮かび、
「どういう系? カントリーっぽいの?」
と、これまたわけわからん質問をしてしまった。アメリカン・プログレッシブロックだと聴いて、半信半疑のままCDショップに駆け込んだ記憶がある。そして聴いてみてその楽曲のすばらしさにハマった。
KANSASはアメリカのカンサス州で結成されたバンドだ。プログレというとどうしてもイギリスというイメージなのだが、彼らはプログレを見事にアメリカナイズして、洗練された繊細な楽曲を展開している。覚えやすく、ときにハードに、ときにもの悲しいメロディラインが特徴。曲調が激しく転調する超大作風の楽曲ももちろんだが、先に挙げた「Dust In The Wind」のような、どこか懐かしく甘酸っぱい印象を与える曲が多い。この「Dust In The Wind」はたいへんヒットしてCMなどでも使われていたので、聴いたことのある人は多いと思う。そうしたKANSASの魅力を二枚のボックスセットに詰めたベストアルバムがこれだ。これから聴いてみようという人にお勧めの名曲が入っているので、まずはこれを聴いてみるといいだろう。
個人的には「Dust〜」ももちろんだが、映画の主題歌にも使われた「Carry on wayword son(伝承)」(このボックスセットの日本版タイトルになっている)がお気に入り。「神々の黄昏」なんちゃってサウンドトラック(笑)でも、この曲をセテとセテパパのテーマに取り上げていたりする。スティーブ・ウオルシュの味のあるコーラスで始まり、ハードなギターが続くと思ったら、今度はピアノとヴォーカルだけの静かな美しいメロディへ……と、1曲の中にKANSASの魅力が入ったすばらしい曲だと思う。
 Rock'n' Roll
 Ain't Talkin' 'Bout Love
 Rock Candy
 Rader Love
 Come Together
 Need Your Love So Bad
 Speed King
 My Generation
 House Of Love
 Look But Don't Touch
 Tower Of Strength
 Unbelievable
 Take Me Down To The River
 Ride The Blue Wave
 Sex Power
 Let Me Be The One You Love
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 ABSOLUTELY LIVE AT THE BORDERLINE ......... SKIN
5月といえば五月病。気分的に滅入ったりするのがこの時期なので、今月はなにか底抜けに明るい一枚を紹介できればなぁと思い、家の中を引っかき回してみた。持ってるのといえばけっこうダークなのばかりで、作風にも大いに影響を与えているらしい(笑)。これまで紹介してきたアルバムも渋いところをついていたので、「樋渡さん、黒〜い」と思われてそうだ。
というわけで、今回紹介するのはSKINというブリティッシュ・ハードロック・バンドのライブアルバム。このアルバムはSKINというバンドの魅力を最大限に知ることのできる一枚だろう。SKINはHELLOWEENの前座に起用されることが決定していながら、デビューアルバム「SKIN」の興行成績がイマイチだったためにメジャーになりきれなかったバンドだった。私もCDショップのリスニングコーナーにデビューアルバムがなければ絶対に買っていなかったはずだ。だが、視聴して一分も経たないうちに購入していた。とにかく、デビューアルバムの勢いのある彼らの演奏に魅せられてしまったというわけだ。骨太のブリティッシュ・ロックを久しぶりに聴いてエラく感動した。デビュー・アルバムも大好きなのだが、あえて彼らのライブアルバムを紹介するのは、彼らが一発録りのライブでも卓越された演奏能力を発揮できる、ライブバンドだからだ。
このライブはもともと彼らの全英ツアーの前哨戦として予定されていた、ロンドン郊外のTHE BORDERLINEというライブハウスでのショートギグだったようだ。彼らのファーストアルバム「SKIN」からの演奏はもちろんだが、前半は彼らのルーツともいえる、往年の名曲のカヴァーが続く。レッド・ツェッペリン、ヴァン・ヘイレン、モントローズ、ビートルズ、ザ・フーなどなど、彼らなりにアレンジしたパワフルなカヴァーは必聴だ。オリジナルを知らなくても、ギグの熱い雰囲気そのものが伝わってくるいいライブアルバムに仕上がっている。
私はヴォーカルのネヴィル・マクドナルドの声がすごく好きだ。骨太な中に男の色気ってやつを感じさせる。こんな声でラブソングを歌われたら、まじで「抱かれてもいい!」(笑)。
まったく余談だが、爆笑カヴァーバンド時代は本当にいろんな曲を演奏してきたなかでも、SKINの曲を何曲がカヴァーした。デビューアルバムから「Look But Don't Touch」「Colourblind」、このライブアルバムからSKIN版「Rock'n' Roll」「Rader Love」(カヴァーのカヴァーやね)、それからこのアルバムには未収録の別のライブアルバムから、「Punm It Up!」(彼らはエルヴィス・コステロまでカヴァーしちゃうのだ)。歌うほうもとても気持ちがよかった。ライブの楽しさってのは、自分たちがいかに楽しく演奏できるかってところに尽きる。
 Give It Everything You Got
 Fly Away
 Where Would I Be
 Let's Get It On
 I've Got News for You
 Save the Planet
 Dying to Live
 Keep Playin' That Rock & Roll
 You Were My Light
 Good Morning Music
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 WHITE TRASH ......... Edgar Winter & White Trash
ジョニー・ウィンターは名前だけでも聞いたことがあるけど、エドガー・ウィンターなんて知らないよ。そんな人も多いのでは?
エドガー・ウィンターはジョニーの弟で、このアルバムはエドガー率いるWHITE TRASHの最高傑作だと、私は自身を持って言える。ブラスやホーンをふんだんに使い、超絶な(笑)コーラスを交えたノリのいい曲をひと揃えしたアルバムだ。R&Bを聞き慣れない人でも、ノリノリで聞ける楽しい仕上がりになっている。特に、長年エドガーと組んできたリック・デリンジャーをプロデュースに迎えたばかりか、アルバム中二曲でデリンジャー自身がギターソロを弾き、兄貴のジョニーも一曲ギターソロで参加しているという贅沢さ。白っぽいR&Bを聞きたいなら、まずはこのアルバムをおすすめする。
まったく余談なのだが、爆笑バンドのヴォーカリストとしてやってきた樋渡は、学生時代に友人に誘われ、ビッグバンドに参加したことがある。お手伝いだったので本当に数曲のコーラスしか担当しなかったのだが、このアルバムから"Let's Get It On"と"Save The Planet"の二曲をカバーした。これは聴くのもいいけど演るほうがずっと気持ちいい。
"Let's Get It On"は、重厚なコーラスとはじけるようなリズム、途中のブルースハープとピアノのソロの掛け合いが最高だ。また"Save The Planet"は、聴きながら、もちろん歌いながら自然にハンドクラップを入れてしまうほどノリのいい曲。重厚なコーラスはもちろん、後半からのジェリー・ラクロワとエドガーのヴォーカルのかけあいは見事。どちらも必聴だ。もしもう一度バンドをやろうと言われて面子を集めることができたら、迷わずこの二曲で参加したいと思う。
 Scene
I: Regression
 Scene II: Overture 1928
 Strange Deja Vu
 Scene III: Through My Words
 Fatal Tragedy
 Scene IV: Beyond This Life
 Scene V: Through Her Eyes
 Scene VI: Home
 Scene VII: The Dance of Eternoity
 One Last Time
 Scene VIII: The Spirit Carries On
 Scene IX: Finally Free
日本版はこちら |
 Metropolis Part 2: Scenes from a Memory ......... Dream Theater
Dream Theaterの文句なしの最高傑作であるといえるアルバムだろう。プログレ好きなら一日中聞いていても飽きない、複雑に絡み合った楽曲が織りなす最高のコンセプトアルバムだと思う。
先月ご紹介した『Images and Words』のキー曲でもある「Metropolis- Part 1 'The Miracle And The Sleeper'」の続編はまだかまだかと待っていたが、いきなりアルバムタイトルで出してくるとは思わなかった。しかも、このアルバムはこれまでの彼らのアルバムよりもさらにコンセプチュアルで、楽曲の完成度も恐ろしいほどに高い。
夢の中で何度も出てくる懐かしい風景、しかしどこか恐ろしい……そんな日常がある男を苛んでいる。そして彼は失われた自分の前世の記憶を取り戻していく。それはとても愛しく、優しく、そして残酷な悲しかった……。そんなストーリーで進んでいくアルバムで、もちろんテーマは「輪廻転生」だ。(おそらく)自分の愛した女性を思い出すシーンで女性ヴォーカルによる優しいスキャット(?)がかぶさってくるのだが、ついついQUEENSRYCHEの『OPERATION : MIND CRIME』に出てくるシスター・メアリーを思い出してしまう。いいな、こういう感じ。主人公の激しい愛憎といった感情の動きを、激しく、優しく、ときには弱々しく表現していて、聞いていてまじで鳥肌が立った。プログレッシブ・ハードロックの頂点に立つ作品であることは間違いない。
まったくもって蛇足なのだが、拙作「神々の黄昏」の「勝手にイメージソング」企画では、このアルバムから「Overture 1928」と「Strange Deja Vu」を「第二章:黄昏の戦士」のオープニングとして選出していたりする。なんつーか、本編の内容とは全然アレではあるのだが……(^ ^;;
 1.Pull Me Under
 2.Another Day
 3.Take The Time
 4.Surrounded
 5.Metropolis- Part 1 'The Miracle And The Sleeper'
 6.Under A Glass Moon
 7.Wait For Sleep
 8.Learning To Live
US輸入盤と視聴はこちら |
 Images and Words ......... Dream Theater
コンセプトアルバムという言葉が音楽シーンに登場して久しい。ひとつのミュージックアルバムに収録されている楽曲のひとつひとつ、その根底にしっかりしたコンセプトが根付いており、アルバム全体を通してそのテーマが語られるものを差す。QUEENSRYCHEの「OPERATION : MIND CRIME」やMARILLIONの「BRAVE」、そしてこの「Images and Words」も、コンセプトアルバムのひとつであろう。ひとつひとつの曲を聴いているだけでは「どこがコンセプトアルバムなんだ?」と思うかも知れないが、アルバム全体を通して聞いたとき、そして聞き終わった後、言葉にできない感動の波に必ず押しつぶされるはずだ。ちなみに、「神々の黄昏」の「勝手にイメージソング」企画(笑)で、このアルバムから締め曲「Learning to live」を拝借して自分で盛り上がっている。盛り上がってエンディングに向かう楽曲の構成がなんとも言えない。
プログレッシブハードロックに見られるように、楽曲の美しさでは群を抜いている。Dream Theaterのアルバムの中でも最高傑作といえるのではないだろうか。激しさと美しさ、そして覚えやすいメロディラインの三つを兼ね備えたアルバムなので、ハードロックを聞き慣れない人でも聞きやすいはず。アルバム5曲目の「Metropolis Part I」は、この数枚あとに発表される「Metropolis Pt.2〜Scenes from a memories」への序曲となっている。つまり、このアルバムが未来へつながっているというわけだ。ニクい。 |