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フリートーク > 2000年8月14日バックナンバー

ビデオ de ファンタジー三昧♪

 夏休み第二弾ということで水曜まで休みをGETした私は、とりあえず近所のツタヤへ行き、ビデオ借りまくり。
 今回借りてきたのは「ベオウルフ」「エクスカリバー」「メトロポリス」(以上DVD)「エリザベス」「薔薇の名前」「ノアズアーク」の6本。おいおい、樋渡さん、こんなに借りてきて全部見られるのか(汗)。
 「ベオウルフ」がクリストファー・ランバート主演のSFファンタジー(というふれこみだったような)、「エクスカリバー」が私がずっと探していた日本未公開(たぶん)映画でもちろんアーサー王物語で、どちらも私的には「ちょー萌え」な要素がふんだんに盛り込まれているのであります。
 「エクスカリバー」、超いいわ〜。1981年(だったかな)の作品で、海外のサイトでたまたまファンページ(さすがに海外のオタクが作るページ。激重(^ ^;;)を見かけて探していたものの、まさかツタヤでDVDで借りられるとは思いませんでした。
 サー・トーマス・マロリーの「アーサー王の死」を題材にしているだけあって、なかなかおもしろくできています。マロリーの書いた本に忠実なので「ん? なんでこーなるんだよ」ってところも多々ありますが、石に刺さった剣や湖の精から授けられる剣、円卓の騎士の誕生、ランスロットとグィネビアの恋、聖杯探求、アーサーとモーガンの不義の息子モードレッドの反乱など、お約束のエピソードがこれでもかと続いて、2時間半もの大作となっています。
 冒頭から血なまぐさい戦闘シーンで、腕が飛ぶ、首が飛ぶ、血が噴き出すってな「アイター!」な流血沙汰を繰り返しますが、これが樋渡的にかなーりツボ。血沸き肉踊る戦闘シーンが好きなんですわ。
 また、聖杯探求には円卓の騎士のうちパーシヴァルだけが成功するというのが定説でしたが、その聖杯の秘密というのが泣かせます。「聖杯とはアーサー王そのもの。この国こそがアーサー王だ」という答えを出したパーシヴァル、持ち帰った聖杯に満たしたワインを一口飲ませると、これまで生ける屍だったアーサーが見る見るよみがえり、枯れた草木も元に戻っていくというシーンは、お約束でチャチな演出ながらも泣かされました。つまり、彼らにとっては、国も名誉も、すべて偉大な愛すべき王アーサーとともにあるということなんですねぇ。
 うさん臭い(笑)魔法もでてきますが、この話は結局人間の物語なんですね。アーサーは多くの物語において偉大な王として描かれていますが(「アーサー宮廷のコネチカットヤンキー」はちょっと別だけど)、結局彼は王ではなくひとりの人間でありたかったのだなと思わせるシーンがたくさんありました。それが出ているのが、モードレッドとの最後の戦いの前に、アーサーが修道院に身を寄せたグィネビアの元を訪れ、言葉を交わすシーン。「私がただの人間として暮らせる日が来たら、もう一度夫婦であることを確かめ合いたい」というアーサーの台詞でした。こういうの、弱いんですよ。英雄がチラリと魅せる人間臭さというか、「ただの男」っぷりというか。
 同じアーサーを描いたもので、バーナード・コーンウェルの描いた「小説アーサー王物語」(「エクスカリバーの宝剣」「神の敵アーサー」「エクスカリバー最後の閃光」の三部作)でのアーサーは、王にはなりたくないのにブリタニアの統一のためにしかたなく王になるが、彼の夢は田舎に引っ込んで農作業や鍛冶師のマネごとをすること。子どももたくさんほしいし、家族仲良く暮らしたい。なんかフツーな夢を持っているわけです。ランスロットにグィネビアを寝取られたときなんか、めっちゃ情けない。けっこうキレやすいし。T.H.ホワイトの「永遠の王アーサー」では、養父サー・エクターの息子ケイの弟として育てられたアーサーが、次の王の証となる石に刺さった剣を引き抜いてしまい、それを見たエクターやケイらがひざまづくシーンで「どうしてひざまづくの。ボクは王様になんかなりたくないよ」と泣きだしてしまう。虫や動物を愛する心の優しい少年だったわけです。こういうフツーの少年(あるいは青年、オヤジ)が英雄の素顔なんだって思うと、樋渡はみょーにハマってしまうわけです。
 そういうのが好きだから、セテは三枚目だし、たぶんこれからレオンハルトの登場するシーンでも、彼がどれだけ人間臭いかってのを書いていくと思います(えっ、レオンハルトが本編に登場するのかって? それはヒミツ)。ファンタジーな要素は二の次で、やっぱり人間自身が書きたいなと思うわけですよ。
 ほとんどのアーサー王物語がキリスト教の価値観で描かれていますが、なにげに土着の宗教について語られていた点もこの映画のいい点かも。聖杯はもちろんジーザスが張り付けにされたときにその血を注いだと言われるもので、いわば聖遺物。聖杯探求は神に近づくことなのです。時代考証を考えると、この時代はちょうどキリスト教が恐ろしい勢いで広まっていく過程で、マーリンなどの魔法使いはいわば「異端者、異教徒」。キリスト教の儀式に乗っ取ったアーサーの結婚式を遠くで見つめるマーリンが、魔法を教えてくれと懇願するモーガンに「一つの神が他の神々を追い払い、森や川の精も声を失う」という台詞を言うシーンがあるのですが、これはつまり、土着の、おそらくドルイド教の教えがすでにキリスト教に負けつつあるということを暗に示していたんですね。これはたいへん興味深い台詞でした。先に紹介したB.コーンウェルの「小説アーサー王」なんかはそれが顕著に出ていて、キリスト教徒と異教徒の暴動なんかもあってすごくおもしろい。新しい神(キリスト教では一神教)をまつることによって、古き神々(ドルイド教では多神教)の声が遠ざかっていく、歴史的なできごとをファンタジック?に書いた作品だと思います。
 興味があったら一度ご覧あれ。樋渡的にはモードレッド役にパツキンでブルーアイの超美少年が扮していたので、かなりいい感じ(なにがいいかんじだ)。でも後半は怖かった(いったいどんな映画だ)。

 あ、なんだかダラダラ書いていたら「ベオウルフ」について書けなくなっちゃうぞ。伝説の英雄譚なのかしらと思ったらまったく違った(^ ^;; まぁこちらはお約束のB級でしたが、クリストファー・ランバートがかっこいいのでストーリーがヘボくても許す。ランバートの銀髪(白髪か? あれわ)&五分刈りもかっちょいい。世界観はめっちゃ中世で、「ディアブロ」(ゲームのね)とか「ベルセルク」を思い出させる。でも登場人物の服装とか武器とか鎧とかがめっちゃSFチック。砦の造りなんかもみょーにSF入ってて、かなり萌えな感じ。とにかくファンタジーなのにどこかSF的なガジェットが登場するのが樋渡のおすすめだったりします。砦内部に放送機関があるあたり、いいですよ、拙作でもアジェンタス騎士団領に放送施設あるし。
 BGMがサイバーだったので余計にかもしれません。ウェズリー・スナイプスの「ブレイド」を思い出しちゃいました。
 そういえばクリストファー・ランバート、「ハイランダー」の新作が9月にアメリカで公開されますが、どーなんでしょ。

 あれ、これってちっともファンタジーについて語ってないよ、どうすんの、樋渡さん(^ ^;;