フリートーク > 2000年9月9日バックナンバー
男文体・女文体
最近驚くとともにうれしいことがあります。「神々の黄昏」を書いている人間は男性であると思われていることです。でも実は女だったりします。
よくよく考えてみればそれはしごく当然のことで、名前が「樋渡ゆうぞー」ってモロ男名前だからなんですね。ペンネームを考えるとき、「男だか女だかわからない名前にしよう」と思いたち、わざと男名前を選んでみたのです。
ところが、最近「『神々の黄昏』は実に男性向けの物語である」というご指摘を受けまして、私自身びっくりしたのですよ(三月さん、早丁さん、実は私すごく喜んでますよ〜〜)。
なぜなら、当初拙作は「20代前半から後半くらいの男性」を想定読者にして考えていたからなのです。
ここに至るまでの変遷がありますが、当初サーシェスを主人公に書いていた時代では女性向け、もっといえば少女向けだったのですが、セテという男主人公をメインに据えたあたりから、同世代くらいの男性を狙ってみようと思いたったのです。
男を主人公にすると、汗くさい、泥臭い、熱い世界が展開するわけで、そういう世界はどうしても女性、特に若い女性には受け入れられないでしょう。
が、それもすぐに玉砕。なぜなら、もうひとりの主人公であるサーシェスの描写に息詰まってしまったからです。男性読者に向けて「どうよ、サーシェス、この娘、すっごいかわいいでしょ?」みたいに媚び媚びの描写で攻めてみたのですが、私自身そういう女の子が苦手でして、書いていてつらくなってしまったのですよ。現にいまでもつらく、サーシェスが登場するときにはすっごく筆が遅くなる(^ ^;;
得てしてそういう女の子は女性に嫌われるタイプだったりするので女性向けにはなりえなかったのですが、書いている自分が納得できなくなってしまったため、急遽路線を女性向けに変更。それがちょうど、もともと書いていた第一章のプロットを書き直し、このサイトを暫定的にアップする頃でした。
女性向けといってもですよ。それにしても拙作には余計な部分がすごく多いと思うんですよ。私自身戦争ものとか、血沸き肉踊る冒険活劇や血がドバッと出たりする小説・映画が好きなので、話がそっち方向に行きがち。ファンタジーでありながら政治権力や国際紛争、軍隊が登場して、なおかつそこには現実的な策略や陰謀が渦巻いているみたいな。こういう部分が「男性向け」と取られるゆえんなのかも知れませんね(しかし、私と同世代の男性が読んだら、「こりゃまだまだぬるいぜ」ってなところも大いにあるでしょうね)。
はっきり言って、こういう汚い(?)部分、女性の方はあまりお好きでないでしょう。でもすみません、樋渡、こういうの好きなんですよ、よよよ。(ToT)
と・こ・ろ・が! そうはいっても相方に言わせると「女が書いているってすぐわかるよ」なんて言われちゃうんですよね。そりゃもちろんあんたはあっしが女だって知ってるし、とも思ったのですが、描写の端はしに「女視点」が出てくるのだということでした。
思い当たるふしがいくつもあり、確かにそうだと頷きましたわ。路線変更した直後、ちょうど第一章の前半あたりですが、セテが登場する部分で「セテはパツキンでサラサラヘアーでブルーアイの超かっちょいいぴっちぴち(死語)の22歳」(すでに書きながら硬直している)みたいな描写をしてますし、モロに自分の理想をぶつけちゃっている辺り、まだまだ若かったなと恥ずかしくなります。なんつったってセテのモデルは若くして死んだリバー・フェニックスですから(まだ言ってる)。
でも、自分ではセテは「理想の男性」ではなく、もしかしたら「自分の分身」かもしれないと思っています。結構「私ならこうする」「こうしたい」というのをヤツに代弁・代行してもらっているような部分もありますし、思考回路が自分そのものって部分も多いにあります(あっしはあれくらいのときはめっちゃとんがってたし、めっちゃ遊んでたし、一晩中酒飲んで二日酔いで大学もロクにいかなかったし、いまなら48時間まで寝ないで仕事できるし、戦うサラリーマンだし、イケイケのボディコンねーちゃんだった←最後のこれはセテとはカンケーないだろ)。
自分を投影したキャラを描いていくというのがいいか悪いかは別にして、けっして理想化したりするのではなく、やつには「ふつーのにいちゃん」でいてほしいんですよ。う○こもおしっこもしないヤツなんていないし、生活感あふれててあまつさえだらしなかったり、適度に凹んだり虚勢を張ってみたり、あれくらいの年だったらエロ本読んで発情するだろーし、二、三日徹夜すれば無精ひげだって生えてくるだろーし、ボコボコに殴られれば(48話参照)顔も見事に腫れる。
ただ「かっこいい」主人公じゃなくて、どこにでもいるけどちょっと熱いにーちゃんでいてほしいわけです。←だからそういうこというと全然女性のハートを鷲掴みしないだろっつーの(^ ^;;
実際に拙作を読んでくださって掲示板に書き込んでくださる方のほとんどが女性の方でしたから、路線変更は間違ってはいなかったと思うのですが、本当のところどうなんでしょう。拙作は男性の方は読みにくいのかどうか悩んでしまいます(^ ^;; アクセス解析じゃ男女比なんてわかりませんからね。
ただ、最近は「ターゲットをしぼる」というのはオンライン小説には必要ないんじゃなかろうか、とも思っています。市販小説では想定読者層をきちんと割り出して本をだしている(はずな)のですが、ネットで見る小説ってのは「書きたい人が書きたいように書く」がモットーだと思うのですよ。プロでもないし、小説を書き出してまだまだ日の浅い私なんかが、「ターゲットをしぼってどうこう」なんて言うこと自体おこがましいわけですよ。私は私の書きたいように書いていけばいいし、それを読んで共感してくださる人が何人かいるだけでも、私は幸せなんです。(^o^)
人気のあるオンライン作家さんの作品を読んで、ホント、「書きたいことを自由に書いている」そのスタンスこそが、オンライン小説のいいところなんだなぁと思いました。
でも「樋渡は男です」って黙ってればよかったのかもしれません(^ ^;;