フリートーク > 2003年2月19日バックナンバー
罪を赦せない人
ごめん。
といきなり謝るのもアレですが。
なんかね、不特定多数の人が見ているところで、凹んでいるときに凹んだことを書くのってどうかなといつも思っちゃうんですが、けっこう叫び系とかへたれ系とかネタにして書いてたからまあいいかなと思っていたんですわ。けっこうそれで気分転換になるし(読んでるほうはたまったもんじゃないかもしれませんが)、自分の失敗とか怒っていることとかをネタにするのが好きなんで、まぁネタにすることで消化してたってのもあるんだけどね。
ああ、あかん。今回はまじでやばいかも。
なんかね、この感覚、前に本当に精神的にヤヴァくなって、会社辞めようって思い始めたときによく似てるなぁと。
今年に入ってバイオリズムが低下しているし、厄年とは関係ないだろうけどここんところ本当にデカいミスをやらかして、仕事に対するモチベーションもあがらなくて困ってたんですが……。今回のはまじでキてます。キまくりやがってます。
だから本当はしばらくフリートークなんか書かなきゃいいんだろうけど、あえて書いてみる。
罪を赦さない人って、世の中本当に多いんだなって最近思うんだよね。
いやーさー、昨年の9月にいまの会社に入社したんだけど、私が入る直前までは本当に仕事のやり方とかがむちゃくちゃで、混沌としていたんだよね。で、私はそのフローを整理してあるべき姿にもどすことと、コンテンツの建て直しを命じられていたんだけど、私の立場ってものすごく変なところにあって、現在でも摩訶不思議な状態に置かれているところに悲劇はあるんだと思う。
私にはボスがふたりいる。ラインの直属のボスと、ラインは違うし部署も違うけど仕事柄システムに関係してくるので、システム関係のボス(ちなみにこの人が私をこの会社にひっぱってきた人間だ)のふたり。前者の直属のボスを仮にA氏、後者のシステム関係のボスをB氏としておこう。これがひとつ目の不思議。
仕事の、部署としての問題点や争点を相談するのはA氏で、この人は元バリバリ営業のトップにいた人でしかもマネージメントのひとりなので、営業からの無体な要求などなどすべてをきちんと防いでくれる、本当に防波堤のような人。ちなみにガンオタ。アナベル・ガトーと呼べと酒の席で暴言はきつづけたのは有名な話(笑)。
しかしものすごいパワーのある人で、私はこの人をとても尊敬している。仕事のやり方を考え直させられたのはこの人のおかげ。とにかく、大人をきちんと怒れるすごい人。よく、営業が馬鹿なことをしでかしたときに「○○ーーッ! ちょっと来い! おまえ俺をなめてんのか!? お前はバカか? 樋渡(仮名)の顔に泥塗ってそのままスルーされると思ったら大間違いだぞ!」と小一時間は怒鳴り始めるのだが(営業の元ボスだからではなく、マネージメントのひとりとして怒ってるのだ)、そのあとのフォローもきちんと忘れない。いまどきいい大人をそんな風に怒ってくれる人間は滅多にいないし、怒った後も人を憎まずというスタンスだから、怒った相手をからかったり話題をふったりして話しかける。よく怒鳴っているのでそのうち高血圧で倒れるんじゃなかろうかと思ってしまうけど、仕事もできるし、この人の愛嬌のある生き方が、憎めないって感じだ。だからこのボスに関しては問題がまったくない。
問題はもうひとりのボスで、この人が最近私の頭を悩ませている。
仕事ができないとかそういう問題ならマネージメントに直訴して終わりなのだが、あいにくこのシステム関係ボスB氏は、ものすごく頭が切れて仕事ができる。ただ、言ってることが正論過ぎて疲れちゃうし、人間性に大いに問題がある。
うちの会社はとても小さい会社なので、営業も私のようなコンテンツチームにいる人間も、オペレーションを担当する人間もサポートチームも、すべてシステムにからんでくる。で、なにか問題があったときにはB氏に相談にいくんだけど、とにかく第一声が「は!?」。ムスッとした声でそう言われ、まず多くの人がこれでカチンとくる。実際、私も入社したてのころは何度もカチンときていたのだが、まぁあまり気にしないようにしようと思っていた。ふつうにメシを食いに行ったりしゃべる分には問題ないし、よく面倒みてもらっているのでノープロブレムだと思っていた。でもやっぱり、それが何度も続くとけっこう蓄積されるもんだ。なにか質問しても「お前の言ってる意味が分からない」とか始まり、小一時間問い詰められるし、とにかく理屈くさくてつかれちゃう。
さらにこの人の言うことは先にも書いたように、ものすごく正論なんだわ。まずいことに(笑)。決まり事を守れないヤツには案件ごとリジェクトしてしまえばいい、ってのがこの人のスタンスなんだけどさ……。なんつーか愛が足りないんだよね。
さらに悪いことに、コンテンツを担当している同僚が、最近B氏に感化されてきていて、まんまコピーって感じになってきてるのが気になる。確かに彼は一年くらいこの会社でやってきて、無茶な案件に泣かされたりと散々苦労をしてきているんだけど、B氏のものいいそっくりになってきて、とにかく理屈くさくて決まり事から少しはずれてしまったことまでも平気ではねのける。そして、延々とはねのけた理由と、今後の流れについてくどくど説明し始める。これがすごくいや。
決まり事をきちんと決めるのは悪くないし、当たり前のことだ。決まり事を守れない人のほうが悪いということのほうがすごく多いし、立場を守るためにはねのけ、セクショナリズムを盾にすること自体は悪くない。あくまで立場を守るために使うのがB氏の言っていることのはずなんだけど、仕事ってのは立場を守っているばかりじゃ進まないじゃない。協力、というか、共生? なんかそういう関係が前に進もうという力を生むんだと思う。だけど、B氏にしてもB氏コピーの同僚にしても、すべてをはねのけるんだよね。
仕事ってさ、決まり事から漏れる例外のことのほうが多くて、それが必要なときもあるじゃない。そのさじ加減を間違えてるって気がするんだよね。正論すぎても人の心を動かせるだけの言葉がひとつもない。人を動かすってことはさ、言動で人の心を動かせるってことじゃない。その愛のない正論のバリアーとこのふたりのおかげで、なんだか会社内がぎくしゃくしはじめているって感じがして、すごくいたたまれない。
私は仕事ってのは人間同士の結びつきから生まれるものだと思っているから、人間の裁量でいくらでも例外対処できるもんだと思う。本当にできないことは確かにあるけど、ほとんどのことは対応できるんだわ。それを、全部シャットアウトしてしまうってのはいかがなもんかな、と。なんつーか、例えば一回犯罪を犯した人間を、「あいつは悪いやつだ」と一生言い続けるっていうか、そんなのに似てる。この人たちは罪を赦せない人なんだなと思う。
大勢の人間がいっしょに仕事をするってさ、こういうことじゃないと思うんだよね。君たちふたりの言ってることは確かに正論だけど、それは理想論なんだよ。現場をまわすってことは理想論だけじゃうまくいかない。若いB氏コピー君はまだ経験も浅いし、そういうのが分かってないから仕方ないにしろ、B氏、あなたは会社というものを間違えていないかと。会社ってのは大勢の人間と対等に仕事をして、前に進んでいくものではないのかと。人間というものに、もっと向き合う必要があるんじゃなかろうかと。
とにかくこういうつまんないことでも気になってモチベーションが下がるってのが、実はものすごい致命傷だと私は思う。
もうだめ。人間がいやで仕事ができなくなるっての、自分でもすごくいやなんだけどさ。なんつーか、このふたりの「あんたたちはマネージメントにでもなったつもりなの?」みたいなものいいがすごく鼻について。んでもってこのふたりの結託ぶりがものすごくて、ほとんどこのふたりが仕切っているという感じ。正論を振りかざしてすべてを取り仕切っているって感じで……私はいらない人間なのかと思っちゃうよ。すんごく仕事がしにくい。ふたりのボスとボスコピーの間にはさまれてると、もういいよ、みたいな。
ちうわけで、なんかアレな感じだけど、やっぱり私は「罪を赦すことのできる人」と一緒に仕事したい。前向きに考えたいんだよね。でも世の中を見回してみると、罪を赦せない人ってのは他にもたくさんいて、例えば北朝鮮問題が大々的に報じられるようになって、朝鮮人学校に行っている学生たちにいやがらせをするとか、イスラム教徒がすべてテロリストだと思っているとか、ほんのちょっとのミスを鬼のクビでも取ったかのように騒いだり責め立てるとか、当事者や実害を被ったわけでもないのにわざわざ抗議の電話をかけたり、ニュース見てるとなんだかそんな人ばっかりだなってさ。人間は大好きなんだけど、そういう融通のきかない「罪を赦せない人」がいるおかげで人間不信に陥りそうになるのは事実なんだよね。
考えてほしいんだ。罪を赦すってどういうことかってさ。
攻撃的に見えるようで、実は私はかなり(自分で言うのもなんだが)ナイーブなのだわ。元来ガシガシ仕事するというよりは、寡黙にこなしていく。もちろん、言うべきことはちゃんと言うけどね。だからものすごい凹みやすいのよ。
……なんだかこういう「心の病」みたいなスレスレの状態が、創作意欲を逆にかき立ててくれてるってのが皮肉なんだけど、最近は小説が書きたくて仕方なくなってきたですよ。ふつうに仕事でテンパってるときってのはぜんっぜん書きたいとも思わなかったのにね。不思議なもんだ。そのうち新しい話がアップされることを祈りつつ<なぜ祈る。
さて、そんなダウナーな気分のこの一週間でしたが、ティエンさん@天亮茶館でオンライン小説双子祭り(笑)が開催されています。4日目の昨日、拙作の登場人物がアップされたので小躍りしました。
ティエンさん、どうもありがとう! あなたのおかげで地下数百メートルまで埋没していた私は救われました。ほんと、ネットってこれだからやめられないよ。