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フリートーク > 2003年11月20日バックナンバー

たまには似非ビジネスマンらしい話題でも

 我が家の電気代が、ついに月額2万円を超えました。
 2万円って、たった二人で暮らしてるのにアンタいったい何に使ってるのよ! というツッコミが聞こえてくるんですけど、いや、実はですね。我が家はガスがなく、お湯を出すのも料理をするのも、全部電気なんですよ。寒いのでユニットバスに湯をためてつかるんですが、このお湯をわかすのが電気で制御してるもんだから、ものすごいことになってる模様。料理はウイークデイはほとんど外食なので使いませんけれども、土日家にいれば作るわけでして、これもIHクッキングヒーターだったりするんでたいへん。さらに、常時稼働している家電製品にあわせてテレビ、ビデオ、アンプ、PS2、DVDプレーヤ、ルータ、そして最大5台稼働することもあるパソコンとその周辺機器……。なんだかめまいがしてきました。
 というわけで、少しでも電気代を節約すべく、寒いのをがまんしてエアコンをつけなかったりと間違った節約をしている最近でございますが、寒いのでみなさんご自愛くださいませ。
 かくいう樋渡、粗食ダイエットがきいてるのか痩せ始めたのはいいのですが(仕事でやつれてるともいう)、風邪が悪化してどうにも困ってます。咳が出るのと食欲が出ないのでねぇ、明日、会社の打ち上げでしゃぶしゃぶを食いにいくことになってるのですが、せっかくの肉が食えないのではアレですわ。
 そうそう、今日は代休を消化すべく休みをとったんですが、案の定午前中は自宅で仕事をすることになり、こんなんじゃいつまで経っても楽できないし長期休暇なんて夢のまた夢だなぁとため息をついとります。わしの他に、誰か代行できる人間を入れてほしいよ(;´Д`)
 ついでに最近本当に偏頭痛がひどく、今日もセデスを飲んで仕事の指示をすべて終えた後、寝てました。なんだかビョーキっぽい樋渡ですが、まぁしばらくすれば本調子に戻ることでしょう。明日のしゃぶしゃぶで景気づけすることとします。

 風邪を引いていたので自分が酔っぱらってるのかどうか分からなかったらしく、飲んだ後ふつうに帰宅して書いた11/17のフリートークなんですが、酔っぱらってポジティブに見せかけたネガティブマインドが見え隠れしてどうにもアレなので補足。
 実は会社でよく飲みに行く男の子が、長らくヘッドハンティングで誘われていたところと条件の折り合いがつき、辞めることにしたんだそうです。もうひとりよく飲みに行く子も来週内定が出れば年内で辞めるとか。そういう私も転職活動を始めることを今年に入ってからずっと考慮していたので、ここ数ヶ月はお互い気があい、よくこの三人で飲みに行って会社の現状を憂えたり未来について語ったり(笑)してたんですけどね。
 そのヘッドハンティングされる子と飲んで、ああ、本当に優秀な人材ほど会社を辞めたがるんだなぁと、ちょっぴりセンチメートル、もとい、センチメンタルになっていた模様。
 彼は(仮にA君と呼ぼう)理論的で戦略的な仮説をたてることが得意だ。もともと前職でコンサルティング会社に勤務しており、社内向けデータベースサーバーやナレッジマネージメントシステム、プロジェクト管理システムなどを企業に導入するほか、ワークフローの整備を行っていた人物である。とにかく頭の回転が速く、有能で、理論武装させたら私の前のボスの次くらいに手強い。
 そんな彼はいまの会社で、マーケティングを担当する部署におり、ユーザーデータ(ユーザープロフィール)だとか実績数値などなどの数値分析とワークフローの整備を担っている。コンテンツのアウトプットにも関係してくるので、メディアを取り仕切る私とは毎日打ち合わせやら雑談やらをしている。おそらく私が社内でいちばん多く会話するのがA君だと思う。
 彼は現状の仕事に不満があるわけでもなんでもない。部署のボスは大好きだというし、仕事にも満足している。ただ唯一納得がいかないのが給与で、ただそれは取るに足らないことだと言っていた。会社の業績が悪化し、ついに期間黒字から赤字に転落した今月、会社のビジネスモデルの限界が見え始めてもう先はないと思った彼は、とうとう長年アプローチされていた会社に移ることを決意したのだが、仕事が嫌いになったとかそういうネガティブなことではなく、単に新しい会社に共感し、そこで自分のキャリアを磨きたいと思ったのだそうだ。
 ところが先日それをボスに話したところ、やはり引き留められたそうだ。確かに、彼が抜けるのは手痛い。引き留めるのは当たり前。もちろん、人間ひとりのマンパワーで支えられていて、その人が抜けたから会社がうまく動かなくなるなんて企業はやばいが、戦力が不足するという点、優秀な人材が流出するという点では、企業としてのパワーがそがれるのは否めない。もちろん、同僚である私たちのメンタルな部分での影響も大きい。これは連鎖反応がくるな、という予感がする。
 ただ来年1日づけでそちらの会社に移ることを決めてしまったため、彼の年俸を上げることやポストを与えることで引き留めることは事実上不可能。ポジティブな精神で会社を辞める人を、会社は引き留めてはいけないと私は思う。
 そんな彼と、また昨日も飲んでしまったのだが、A君に私は相談した。「私はどんな業種、職種が向いているのか自分には分からない。でも、ここの会社でやるべきことは私はすべてやってきたし、実績を作ったつもり。もちろん今の仕事に不満はないけれども、漠然と、このままこの仕事続けてていいのかなぁって気になる。だから転職したいってのはだめなのかなぁ」というと、彼は「樋渡さん、この記事読んでみるといいですよ」と、『Diamond Harvard Business』2000年5月号のある記事を見せてくれた。「キャリア・デザイン:優れた人材のマネジメント」という記事だった。おもしろそうだったのでコピーをとらせてもらったのだが、本当に目から鱗が落ちたような気がした。
 1ページ目の最初の段落の見出しは、「なぜ優秀な人材ほど会社を辞めてしまうのか」というもの。仕事ができる人間ほど仕事に満足しているとマネージメントが思いがちで、だがその実、仕事を変わる人間の多くが、自分の心の奥に刻まれた「人生の目的」と現在の実務が一致していないために情熱が薄れ、転職をしていくのだという。そういう人たちを適材適所に配置する技こそが「キャリア・デザイン」であり、それがいかに重要で、いかにキャリア・デザインに乗っ取ったマネージメントが、ビジネスマンのモチベーションをあげて成功に導いたかを分析・解説した記事だった。
 かくいうA君は、ボスに辞める旨を打ち明けた際、引き留められ、「この記事を読んでからもう一度俺と話しにこい」と言われたんだそうだ。つまりA君のボスは、転職後のA君のキャリア・デザインを心配しているのだ。
 おお、さすがは私の元ボスだけはある。この人が今も私の直属の上司だったら、転職なんて考えないんだけどなぁというのは独り言であるが。自分が転職したがるのは境界例人格障害だからというわけではなく、仕事に情熱を感じなくなったからなんだと気づいてほっと一安心。ではその情熱を維持するためのキャリア・デザインとは?
 この記事の中で、8つのビジネス・コア機能というカコミ記事がある。これはビジネスマンの心の中にある「人生の目的」、すなわち好きな仕事を分析し、仕事のうえでどのように情熱を表現するか、その形態を分類したものだ。12年間で650件ものサンプリングを行い、分析した結果、ビジネスマンの仕事のタイプはきれいに8つに分かれることがわかったのだそうだ。この分類を見ながら適材適所を行うのが望ましいのだというようなことが書いてある。以下が、抜粋したり私なりの言葉でまとめたものだ。


1.技術マニア
時計が動く仕組みを知りたがるタイプで、ものごとを分析して解決するのが得意。新しいプロセスが導入されれば操作するだけでなく、仕組みを完全に理解したがる。
2.定量分析マニア
数字を比較分析するのが得意なタイプ。キャッシュフロー分析や業績予測、生産計画の最適化や会計処理用のプログラム構築などに従事することが多く、常に数字でものを見る。
3.理論人間
物事を理論的に考えるのが得意なタイプ。戦略を実行するよりも立案するのが好きなど、新しいビジネスモデル構築に喜びを感じる傾向がある。
4.創造的生産人間
想像力に富み、独自のものを編み出す創造的活動に熱中するタイプ。ただし芸術に必ずしも興味を示すわけではないらしい。新製品開発や広告関連の仕事に満足することが多い。
5.カウンセリング人間
教えることや相談に乗ることがたいへん好きなタイプで、同僚や部下、顧客をよい結果へ導く。他人の能力を向上させる場所に満足する。
6.管理志向派
部下のカウンセリングに従事しつつ、人間関係をコントロールしたいと思うタイプ。カウンセリング人間より結果を重んじ、一緒に他人と働きながらビジネスを成功させることに価値を見いだす。
7.組織のリーダー
人々を統率することが好きなタイプ。プロジェクトやチームを率いるときが幸せで、なるべく数多くの責任を求め、どちらかといえばCOOよりCEOになることを望む。
8.アイデアマン
アイディアを考えること自体を楽しみ、書いたり話したり、交渉や説得が楽しいと感じるタイプ。コミュニケーションを図るために、会話や執筆、イラストなどのプレゼンを行うことに意欲を燃やす。


 なるほど、よく分類されているものだと思った。もちろん人間のタイプはひとつではないので、上記のうち複数を併せ持つこともよくあることだそうだ。
 私なんかの場合は、若干1.の技術マニアの節がある。パソコンやインターネットなど、自分が使うものに関して仕組みを知らないで利用するというのがガマンならない。好きがこうじてIT関連の業種にいるというのもある。どこに問題があるのかもけっこう分析するのが好きで、それを取り除くために全体図を見ることをしばしばやるかもしれない。それでもって4.の創造的生産人間というのはもろに当てはまると思う。現職はまさにこれだ。8.のアイデアマンというのも当てはまると思う。社内向けプレゼン(企画書)やマニュアルなど、バカみたいに凝って作ったものを発表するときの喜びといったらないし、実際に現職でも書くことを含めたメディアを統括しているので、毎日が戦いの連続で喜びにうちふるえている。そのほかのタイプ、リーダーになりたいわけではないがかなりの決定権(責任)を自分に集中ウせたいと思っているので(要するに楽して甘い汁だけ吸おうという魂胆)、少しは7.組織のリーダーの分類にもかぶってるのかもしれない。理論的ではない(たいへん感情的だ)のと、人に相談されるのが苦手なので、まぁこの3つがだいたいのリアル樋渡のビジネススタンスを表していると思う。
 なるほど。こう考えていくと、いまの自分は必ずしも自分の仕事に不満があるわけではないと思うようになってきた。とすると、この転職欲はどこからくるのだろう。そう考えてみると、自分のいるポジションに問題があるのではと思う。
 現在は営業のある一部の部署、すなわちメディアを担当するグループにいる。さまざまなパワーゲームを経て社内の勢力図を均等にするための策で異動を希望したのだが、やはり突貫工事の新部署設立、さまざまな問題も抱えている。部署のボスは私が売り上げに直接関係しない業務をこなしているのをよしとしていないのだ。
 メディアといえども、ユーザー向けのアウトプットを担当する役割を持つうえでは、自社プロモーションにも大いに関係するし、メール配信やWebページ作成についても、ディレクションだけでなく、さまざまなつまらないオペレーションも発生する。営業案件のみならず、マーケティングやリサーチ、制作、新商品開発などなど、さまざまなミッションのアウトプットがここに集結しているのだ。そんな中、営業配下にある人間に他のラインからミッションが飛んでくるのが、いまのボスには気に入らないのだと思う。組織論からすれば当然の話だ。自分のなわばりに土足で侵入してくるのと同じなのだから。だがミッションの大きさからして、営業の一部のグループとして存在するには容量の限界、つまり器が小さすぎるのだ。そんなんでモチベーションが下がるというのもつまらない話ではある。
 とはいいつつ。組織改編がなされれば、解決する問題ばかりだなと思ってきた。いまやっている仕事はとても好きだし、あとちょっと給料があがって、あとちょっと権限委譲をしてほしい。それで十分な気がする。会社としてはちょいと傾き加減ではあるんだけれども……これもまた転職を考えるうえでは重要なことではあるが、もし給料が下がるのであれば転職を考えるし、会社がなくなったら会社都合での退職なので失業保険もすぐに出るし、まぁもうちょい考えてみるのもいいかなぁなんて思い直してきた。っていうか、これを書きながらではあるんだが(笑)。