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フリートーク > 2004年2月20日バックナンバー

はぢめてのはいしゃさん

 それは今朝のこと。
 電話を取った同僚が「樋渡さんってどこに住んでたっけ」と尋ねるので、「世田谷だけど?」と返すと、「なんか成城警察署が樋渡さんにって。今度は何の罪状なわけ?」。
 一同が水を打ったように静まりかえり、凍り付く。
 とりあえずそのときの樋渡の心情としては、「もしかしてあれがばれたか、いや、あれかもしれない。もっといえばあれも」なーんて悪夢がよぎったのではあるが(誇張250%)、一応そんな極悪非道な樋渡にも心当たりがありました。
 今朝出勤時、家から駅までのおよそ全力疾走1分半の距離を疾走後、駅について定期を出そうと思ったら、Tranceのリュックの前面ポケットのファスナーが全開でございまして。前面ポケットにはいつもタバコとライターと定期入れと名刺入れを入れているのですが、この日に限って名刺入れが見あたらない。「げげ、落としたかも?」と思うも、もうすぐ電車がきてしまい、戻って探しに行くとなると確実に遅刻するためにそのまま電車に乗ってしまったのでした。
 心の中では「家からファスナー開いてたわけだし、まぁもしかしたら家に置き忘れてきたのかもな」なんて思っていたのですが、やっぱり全力失踪中に見事にぶちまけてしまったようです。
 で、どうやら拾ってくれた心ある人がいらしたようで、駅前の交番から管轄の成城警察署に送られてしまったそうな。
 自分の会社用と個人用の名刺がどっさり入っているのですが、のみならず、仕事先で挨拶した方々の名刺も何枚か入っているため、やはり取りに行かなければなりませぬ。ぐおお〜機密事項がぁ〜ぐはぁ〜〜〜!
 ちうわけで、アポのない比較的暇な金曜日の今日、ボスから外出許可をもらって会社を抜け出し、成城警察署まで行きましたです。出かけるときに会社の連中から、「樋渡、余罪を追及されて身柄を拘束されたら身元引受人になってやるから安心しろ」と心強い声援をもらいながら。とほほ。
 いや〜それにしても成城警察署って、最寄り駅とされる千歳船橋からエッラい遠い!! 道わかんねーし!! 現地で30分近く迷子になったのは地図の読めない樋渡としてはデフォルトコースです。
 さて、到着して驚いたのは、受付の女性職員に「お客様」とか「樋渡様」とか呼ばれたこと。警察署なんて寄りつかない樋渡としてはもう十何年も前の記憶しかなかったので、どうせ横柄な態度のおっちゃん職員が、これまた横柄に拾得物を取りに来た人間に応対するんだろうと思っていたので驚きました。また、書類にサインをした後「どなたが拾ってくださったのでしょうか」と尋ねると、「駅の近くのお店をやっている方が拾ってくださったようですよ。ですがプライバシー保護の関係でその方の連絡先をお伝えすることはできないんです」とのこと。なるほど、そのへんはきちんとしているのだなぁと妙に感心してしまいました。駅の近くのお店といえば本当にいくつかしか心当たりがありませんので、機会があったらお買い物をすることでご恩返しができるといいなぁと思います。


 そして樋渡、今日は初体験の衝撃的なできごとがありました。
 実は私、これまでの人生で歯医者に行ったことがないんですよ。子どものころからこれまで虫歯になったこともないので、歯医者はもちろん、歯の痛みなんぞ知るよしもないのでした。
 ところがここ数年、右の上の歯に穴が開いてしまい、しかもそれをずっとほったらかしていたらここ最近急に穴が大きくなり、ときたま知覚過敏のようにシクシクすることがある。相方が虫歯野郎なので、早いうちに治療した方がいいということになり一念発起、会社の近くの歯科医を予約して削ってもらうことになりました。
 はやいうちにっていったって、前の会社にいたときに穴があいて、それから実に4年近くもほったらかしにしていたんですがね。ほとんど進行していないのは親譲りの歯の質だと思いたいです。
 いったん定時で会社を抜け出し、18時半に向かったのですが、とにかく歯医者に行ったことがない私としては、なにをどうしていいやら(笑)。まずX線で歯全体の写真を撮って、それから診察台に上るわけですが、マジで診察台の座り方がわからない(笑)。「先生、実は私、人生ではじめての歯医者なんです。これどうやって座るんですか」とか大まじめで聞く樋渡、バカすぎ。
「いや〜確かにいい歯してるよ。小学生のころ、表彰されたでしょ。虫歯にならないってのは歯を磨いても磨かなくても関係なくて、歯の質とか唾液の質なんだね。4年もほっといて進行してないのは奇跡に近いよ」と言われたのですが、私としてはこれまでの三十二年間、無敗をほこってきた歯に穴が開いたことだけでもショック超デカ。目も悪い、股関節も悪い、頭も悪い、素行も悪い、態度も悪い、性格も悪い、運も悪いってな樋渡の人生の中で、虫歯のない歯並びのいい歯ってのだけが自慢のたねだったんだよよよよよい。このショックはたぶん虫歯を経験したことのある人には分からないと思いますですよ。なんつーか、アタシ汚れちゃった……ってカンジですよ。<あと150回くらいは同じこと言うだろうけど。
 診察の結果、右上の歯にかなり大きな穴と、実はその反対側、左上の歯にも虫歯があることが発覚し、それぞれ歯と歯の間に穴が開いているため、合計4本の虫歯が発見されたしだいでございまして、今日はそれを削って患部に薬を塗り、セメントをかぶせるところまでやってしまおうということになりました。
 いよいよ削る段になって、樋渡の心拍数はめちゃめちゃアップ! 出る前に会社の連中には、歯医者がどれくらいいやなものか、どれくらい虫歯が痛いものか、削るとき、または麻酔をかけるときどれくらい痛いのかというのをヒアリングしていったので戦々恐々という状態だったからですわ。ところが、思ったほど、というか全然痛くなかったんですね。たまに脳天にくるのとか、チクッとするのがあったくらい?
 でも確かにいやな感触ですね、あれは。二度と経験したくないと思うのも頷けます。
 削り終わったあと先生が鏡で見せてくれたのですが、ものごっつデカい穴が上の歯の両側に開いていまして、これまたショック。きれいになってはいるのですが、あるべきもんがそこにないってのはなんだかヘコみます。そのあとセメントで塗り固められたのですが、なんつーかものすごい違和感というか、「なんか挟まってる」ってカンジと「歯が重い」ってカンジ。やっぱり人体って違和感ないように作られているんでしょうね。それが崩れると調子狂って、日常生活に支障を来しそう(笑)。実際、終わってから会社に戻って仕事の続きをしていたのですが、ものは落とすわ動きは緩慢になるわで、どうにも調子が悪い。麻酔がきいてるから余計に口のあたりがアレなカンジがして、いや〜な気分になるってもんです。
 集中して完全に治療をしたかったので、明日の午前中、また行ってきますです。仕事でもないのに会社の近くにいくってのはちょいとナーバスですけどしかたない。問題は、保険のきく銀歯にするか、保険のきかないセラミックにしてAppleシネマディスプレイをあきらめるかってところですが。とほほのほ。


 利益低迷にあえぐ出版業界に勤めている相方は、いま新しい本の企画で頭をひねっているようです。他社の本で「萌える英単語」とか「恋する英単語」とかの教育系異色書籍が売れているのを見て、てめえんところは大まじめな出版社のくせに「やっぱこういう企画やらんとだめなのかなぁ」と本気で悩んでいる模様。
 こちらの記事を読むとよくおわかりのとおり、前述の二冊の本、ものすごい勢いで売れてる本なのです。増刷に次ぐ増刷といったカンジ。書籍ってのは出版してナンボってわけではなく、増刷し続けることで売り上げを作っていくわけですから(初版出しただけで大金持ちになれると思っている人が世の中には多いようですが、初版の刷り部数なんて人気出版社の単行本でなければウンコみたいなもんですよ)、こりゃもう担当編集者としてはすごいアタリの逸材だったわけですね。後者の初版2万部ってすげーなおい。
 ま、コンセプトからして売れるように作ってる、世相を反映してる(笑)わけですから売れなきゃ嘘だろってカンジでもありますけれども。
 売れるものを作るというのは、本当に難しいことです。一部の才能ある人が無意識に自分の好きなことをやって売れるのとはわけが違って、ほとんどの企画者は売れるように売れるようにと思って作っていても、なかなか市場のニーズと合わなくて売り上げが芳しくないということもしばしば、いや、ほとんど。あっしももちろん仕事ではそんな毎日です。
 これは出版業界の話ではありますけれども、どんな業界でも売れる企画=金のとれる仕組みを作るってのはたいへんなことであります。ニーズ(市場)があって、そこに入り込んでユーザーのアクティべーションを促すってやつ。ひと昔前なら、メディア側(企画者)がユーザーを啓蒙していく(ムーブメントを作っていく)なんてこともありましたけど、いまは不況ですから、とにかくニーズの少しでもあるところでデファクトスタンダードをとりたいと躍起になるわけですね。
 それはインターネットの世界でも同じなわけでして、金とらなくても金がからんでいても、やること考えることは実は同じなわけです。インターネット広告やビジネスの世界にまだ数年しかいないウンコみたいな樋渡でも、ちょっとそれはなぁ……というサーチエンジンがたまに目に入ってしまうわけでして。自由と責任放棄は全然違うんだぞというカンジですかね。オンライン小説の世界って本当に狭いんだなぁと思うことしきりな今日このごろであります。


 最後に、某所で缶詰状態の某D師匠に捧ぐ私信。
 物欲ついでにPDAなんていかがっすか。あっしは自慢のPalmが死亡したので新しいCLIEに乗り換えるかどうか迷っていたのですが、ふと思い出して二年ほど前に出たJava端末を、いまだからこそ買ってみたいなぁ〜なんて思ったり思わなかったり。「PocketCosmo」!
 外野! そこで笑わない!
 えっ! Macintoshにつなげないからだめっすか!? とほほ、おいらも新しいノートPC新調したいです。