番外編:聖騎士の暁〜LOST DECADES〜

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「伝説の聖騎士」「聖騎士の始祖」と謳われ、その剣技を含めた戦闘能力の高さですべての人間を畏怖させたパラディン・レオンハルトに、青年はぶしつけに指を突きつけて宣戦布告をした。「明日の御前試合、あんたとあたるの楽しみにしてるからな!」
金髪にアイスブルーのその青年は、えんじ色に双頭の鷲の紋章がよく映えるアジェンタス騎士団領の制服を着ていた。聖救世使教会の祭司長をはじめとする地位ある人々の前で、現役の聖騎士や各国の騎士団の剣士が切り結ぶことでそう呼ばれる模擬試合、レオンハルトは確かにその青年と対戦することが決まっていた。噂の黄金の聖騎士に肝試しがてら近づいてきたその青年の姿にいらついたレオンハルトは、少しばかり彼に痛い目をみてもらおうと思ったのだが……。

Prologue

翡翠の大聖堂と謳われる光都オレリア・ルアーノの聖救世使教会を、銀色の甲冑を身につけた金髪の青年が歩いていく。式典が終わった後の彼は、まぎれもなく聖騎士の正装のいでたちであった。彼が探していたのは、式典嫌いな黄金の剣士の姿であったが……。

Act.1

御前試合と呼ばれる模擬試合の前日のこと。レオンハルトの姿を見つけるやいなや近づいてきた金髪の青年は、臆することなく宣戦布告をしてきた。確かに彼とレオンハルトは対戦することが決まっていたのだが、レオンハルトはこの青年の態度が特に気に入らない。

Act.2

辺境も辺境といった最果ての地ディタ・ウリスでは、自爆テロを中心とした半勢力による内乱騒ぎがふくれあがっていた。多国籍軍を組織して鎮圧に向かった部隊の中にダノルも参加していたのだが、そんなとき、港に聖騎士団の戦旗を掲げた船が接岸する。

Act.3

四面楚歌の反勢力の一味は、大量の爆薬をちらつかせながら籠城を試みる。最後の決着をつけるべく前線にかり出された戦士たち、そしてその陣頭指揮を執るのは黒い甲冑の黄金の聖騎士。レオンハルトの合図により、目を覆うばかりの惨劇が繰り広げられることに。

Epilogue

混乱の中でディタ・ウリス戦役は幕を閉じた。長い回想を経て、再びレオンハルトは翡翠の大聖堂でダノルと対峙している。ダノルが目の前に聖騎士となって立っていることは奇跡であった。そしてレオンハルトはダノルに、あの日少女が手渡した花の名前を尋ねる。

あとがき

オリジナルSFファンタジー小説『神々の黄昏』の「番外編:聖騎士の暁〜LOST DECADES〜」あとがきです。

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