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第二章:黄昏の戦士 目次

あらすじ
第二章:黄昏の戦士
 直接的ではないものの、大僧正リムトダールを死に至らしめたということで、ロクラン城の牢獄に幽閉されることになってしまったサーシェス。暗闇の中で葬送の鐘の音に心を痛め、自らに課せられた運命の重さにひとり苦しむ。
 一方、ピアージュとともにアジェンタスをあとにしたセテは、まず彼女のよりどころでもあったアジェンタス辺境の孤児院へと向かう。子どもたちや孤児院院長の喜ぶ姿を見ながら、セテはピアージュがもともと心の優しい少女であることを知り、しだいに心惹かれるようになっていく。
 別々の場所で、別々の運命に流されていくふたりの主人公。事態は急展開し、いよいよ物語は核心に迫る。
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第1話:有罪
 火焔帝率いる新生アートハルク帝国に見事制圧されたロクラン王国。国王アンドレ・ルパートをはじめ、顧問会や重鎮たちまでもが自室に軟禁状態となり、手も足も出ない。ガートルードに代わりロクランでの采配を振るうのは幼い少女の巫女。彼女は毎朝のようにアンドレに要求を飲むか否かを尋ねに来るのだが……。
第2話:葬送
 ロクランを守るために命を落とした大僧正リムトダールの葬儀が、予定どおり行われることになったが、牢獄に囚われたままのサーシェスは出席を許されることはなかった。彼女は塔の牢獄の暗闇の中、見慣れた悪夢にまどろみながら、自らの犯した罪に苛まれる。そこへ巫女ネフレテリがやってきた。
第3話:心のある場所
 アジェンタス騎士団の牢を抜け出してついてきたピアージュとともに、セテは馬車の中、そろそろ最初の集落に到着するころだった。妹を捜しているという彼女は、アジェンタスの国境を越えるまでの間、協力するからいっしょにいさせてくれという。共犯者となったわけだが、それでもセテはまんざらでもなかった。
第4話:騒動
 孤児院を後にしたセテとピアージュ。レイザークを探すためにもう一度ロクランへ戻ろうかと思うセテに、ピアージュはもっといい情報が手に入る場所があるから着いてこいと言う。ただし、そこへ行っても自分の素性は隠し通すこととぶっそうな約束をさせられたのだ。いやな予感をぬぐえぬままベルナスという街へ。
第5話:不穏な足音
 コルネリオの事件が終わり、退任が決まったガラハドは、自室を整理しながらこれからの人生について思いを巡らせていた。セテに託された「神の黙示録」ほか、旧世界の遺産を研究したい。それが彼の望みでもあった。ところがそこへ、アートハルクの大使と名乗る人物がやってきた。
第6話:触れ合う心
 結局セテは暁の戦士亭でご用聞きと厨房をくるくる回りながら、ナルダという情報屋の帰りを待つことに。慣れない業務でも自分が割とこうした仕事に向いているのではないかと思い始めていたときだった。このままピアージュといっしょにいられればいいのに。そんなことを考えるセテは……。
第7話:決死の王女
 父王との面会を許されたアスターシャは、父の悲願を達成すべく、サーシェスに近づく算段を始める。問題は、彼女の首にはまった術法封じの首輪。それに関してあの巫女なら知っているはずと、無謀にも巫女ネフレテリの部屋に忍び込むアスターシャだったが……。
第8話:封印解呪
 アジェンタスの地下にある、旧世界から続く巨大な迷宮を、アートハルク帝国の精鋭部隊のひとつ、真紅の竜騎兵(クリムゾン・ドラグーン)が行軍していた。目的は、アジェンタスが保有している要石。フレイムタイラントを封じ、霊子力炉の源でもある遺産の解放だった。
第9話:アジェンタス陥落 前編
 アジェンタスがアートハルク帝国に包囲されたという知らせを聞き、セテとピアージュは装備を調えてアジェンタスに戻る決意をする。故郷の母、そしてガラハド、スナイプスなど騎士団の面々の無事を祈りながら、セテは馬を全速で駆った。ところが、途中の集落ではすでに道が封鎖されていた。
第10話:アジェンタス陥落 後編
 すでに制圧された直後の総督府を後に、セテは復讐を誓う。だがその前に、隣町のヴァランタインにいる母の安否が知りたい。荒れ狂う炎と地響きの中、セテは再び自分の中で人を殺したくなる衝動が大きく膨れあがっていくのを感じていた。自分で封印した飛影を握り、公邸を出ると……。
第11話:神々の気まぐれ
 アジェンタシミルが焼け落ちて数時間後、中央特務執行庁長官ラファエラ・フォリスター・イ・ワルトハイム将軍が到着した。彼女はガラハドとも親しかったこともあり、現場の有様に心を痛めていた。そして彼に託したはずの「神の黙示録」がアートハルクに奪われたことを知る。
第12話:失意の旅立ち
 その日の朝を、サーシェスはほとんど眠れないまま過ごした。自分の犯した罪に打ち震えながら。彼女は今日、ロクランを離れて遠い地へ、光都オレリア・ルアーノへ送られることになっていた。記憶を取り戻せるかも知れないというわずかな希望と、知らぬ地へ送られる不安を抱えながら。
第13話:灼熱の攻防戦
 ロクランの馬車を狙う盗賊団との戦いに巻き込まれたサーシェス。戦闘の中、サーシェスは自分の力で戦うことを決意する。剣を手にした瞬間、彼女の中で高揚感が走る。稽古とは違う実戦は経験ないはずなのに、まるで昔からこうした戦闘に慣れていたかのようだった。
第14話:飛影
 アジェンタスの街中で拾った折れた剣。それがかつての同僚の持っていた剣によく似ていると思ったレイザークは鍛冶屋に頼んで復元をしてもらったのだが。目の前の青年は、それが父の形見だという。困惑するレイザーク。まさかこの青年が、あのときのあの子どもだったとは。
第15話:聖騎士の申し出
 精神的なショックで、セテは剣を振るうことができなくなっていた。自分が本当に役立たずだったと、誰も救うことができなかったとセテは自分を責め続ける。そんなセテをレイザークは自分の手元に置くことを決意。当然セテは憤って激しく反発するのだったが……。
第16話:追放者
 目を覚ましたサーシェスの目の前に広がっていたのは、赤茶けた大地ばかりが広がる地獄の鍋。だが、先ほどの盗賊団との戦闘に入ってからの記憶が定かでないサーシェスは、自分がなぜここにいるのか、どうして肩に傷を受けているのか理解できなかった。だが、ここから脱出せねば……。
第17話:終わらない悪夢
 お前の闇を切り裂き、暗闇の雲、追い払うべし。夢に出てきた聖騎士と騎士大学の青年にそう言われ、フライスは自分が深い闇に囚われ始めていることを認識する。手放した光を取り戻すために、サーシェスの元に戻らなければならないが、だが彼にはまだなすべきことがあった。
第18話:翼ある者
 傷が癒えるまでは洞窟の集落の人々に世話になることとなったサーシェス。だが、彼らの敵だというハルピュイアと呼ばれる一族に、サーシェスは懐かしさを覚える。まだなにか自分の知らないことがあるのではないか。彼らのすべてを知りたいとサーシェスは思う。
第19話:語られぬ伝承
 今度は風の一族に囚われ、人質となったサーシェスは、彼らの長老と呼ばれる老人に会うようにいわれ、赴く。そこで出会った長老に以前に会ったことがないか尋ねられるのだが、サーシェスにはもちろん心当たりはない。そして、長老の口から語られる、中央では語られることのない過去に……。
第20話:ふたりの巫女
 夜を知らぬ都と呼ばれる〈光都〉オレリア・ルアーノには、未来を知る預言者ヴィヴァーチェが人々に光を与えていた。だが、彼女にアートハルク帝国の巫女ネフレテリの執拗な攻撃が迫る。はたしてネフレテリの目的はなんなのか。いまオレリア・ルアーノに危険が迫っていることに誰も気付かない!?
第21話:執心
 レイザークに連れられてやってきた家の中から飛び出してきた銀髪の少年。まさかレイザークの息子? そんなことを考えていると、少年は声変わりしていない声でセテに言った。「オレは女だ!」少女の名はベゼルといい、わけあってレイザークに厄介になっているとのことだったが……。
第22話:聖遺物
 集落の人間たちとの取引の朝、眠れぬ夜を過ごしたサーシェスは、早朝から中空を舞うナギサを見かける。本当に、背中に翼を持った彼らのなんと美しいことかと心を奪われていたのだが、長老の話を聞いたあとでは、ナギサの人間への執拗な憎悪が、なにかほかの原因によるものではないかと思い始めていた。
第23話:風の封印
 姿を消したナギサは、風の一族の聖地とされている靄の下の〈連絡艇〉の残骸だった。ここにははるか昔、彼らが神々から賜ったとされる風の封印が安置されているのだという。幼い頃偶然にここに隠されている書物でその存在を知ったナギサは、封印解呪の作業に入り……。
第24話:狂戦士の告解
 いつもの悪夢にうなされ、恐怖を振り払うように叫んだセテの右手の平が激しく痛み、なにかを告げようとしていた。サーシェスの身に危険が迫っているかもしれない──。そう思ったセテは夜だというのにレイザークの家を出ようとしたのだが、レイザークに引き留められ、剣を抜けと言われる。
第25話:父の記憶
 再び部屋にやってきたベゼルと話をするうちに、セテはなぜ自分が剣士になりたかったのか、忘れていた大切な思いを取り戻した。もう一度最初からやり直そう。俺にはやり残したことが山ほどあるのだから。まだ食事を取っていないベゼルとレイザークに、料理大臣として料理を作ってやるのだが……。
第26話:架け橋
〈風の化身〉である鳥の姿をした化け物に〈ドラゴンフライ〉ごとたたき落とされたサーシェスとマハ。落下していくそのわずかな時間、サーシェスの頭に走馬燈のようにさまざまな記憶が逆流していく。そして力強い声にサーシェスは我が目を疑う。手をさしのべる黄金の巻き毛の騎士の姿こそ──!
第27話:光都へ連なる道
強大な力を振るうサーシェスの姿をした少女に助けられ、ようやく〈風の核〉を封印したことですべては終わった。集落の人々と〈風の一族〉は共存することで合意をしたが、まだこの件が残した遺恨は大きい。のみならず、解かれた風の封印はアジェンタス郊外にまで及び──。
第28話:拘束
光都背後にあるグレイブ・バリーに住む女賢者ヴィヴァーチェ。光都に住むよう要請されていたのを拒否し続けていた彼女が、突然光都に移り住み、中央評議会に協力的な態度を取るようになった。帰還したラファエラが報告をする議事堂に入ってきた彼女の口からは、信じられないような事実が語られる。
第29話:絆の延長線
ロクランの包囲網を見事と突破してきたアスターシャ王女が目覚めたあと、彼女はレイザークとセテにロクランの現状とこれまでのいきさつを話して聞かせた。アスターシャは自分ひとりが逃げおおせたことをずいぶん後悔しているようだったが、そんな折り、アスターシャの口から親友の話が──。
第30話:神々の追跡者
自軍がロクラン王国を占領しアジェンタスを陥落させたことが一面を飾ったことを受け、いったん退却して待機を続けるアートハルク帝国。その合間を利用して、火炎帝ガートルードは入手した『神の黙示録』の解読に全力を尽くす。その封印された幻の文書に、自分たちの考える真実が隠されているのかどうか、ガートルードは思いをはせる。
第31話:誓い
アートハルク帝国軍と中央諸世界連合の動きを見、勝機を見つけるために、フライスは貧しい集落に身を置き、そこで病人やけが人の面倒を見るべく腰を落ち着けていた。愚かな自分の振る舞いを恥じてはいたが、開いた心の空隙に身を焦がす毎日ではあった。そんな折り、術者同志の術法戦の気配を感じ取ったフライスは……。
第32話:戦士よ黄昏を恐るるなかれ
いわれなき罪を問われたラファエラは、光都の郊外にある屋敷に軟禁状態であった。だが、尋ねてきた評議会議長ベナワンから、中央が武力対決の決議をしたことを聞かされた彼女は、彼女自身の戦いを始める決意をする。そしていっぽうセテとレイザークも、新たな使命を果たすべく光都に向かう決意をする。運命の歯車の二番目の輪は、『神の黙示録』のシナリオどおりに動いていく。第二章、ついに完結。
【黄昏の戦士】あとがき
第二章をお読みいただき、ありがとうございました。
二章に関するよもやま話などをこちらにつらつらと書いています。ぜひ本編を読了後にごらんください。